ボートレースが「あそび場」をつくる理由

わたしたちは、ボートレース場を「地域に開かれた場所」とするべく、近年さまざまな活動を活性化させています。ボートレース事業は自治体が主催しており、その収益は街の様々なコトやモノに還元されています。しかし、ボートレース場が地域の皆様にとって「身近な場所」になれているかといえば、まだ十分ではありません。


街の目立つ場所で大きな存在感を放ちつつも、限られた方にしか利用されていない現状を変えるために、わたしたちはあそびの専門企業「ボーネルンド」と協働して、楽しくて毎日でも行きたくなる場所、地域のご家族の交流が自然と生まれる場所を目指し、あそび場づくり事業への船出を決意しました。

「あそぶことは 生きること」
このボーネルンドの考え方に、わたしたちも共感しています。

「あそび」は"やってみたい"という、湧き上がる衝動から始まる自発的な活動です。 だからこそ、子どもたちは生き生きと取り組み、追求するのです。 その過程で、健やかな身体、創意工夫をする力、失敗にくじけず挑戦する力、自尊心、とりまく世界や他者への関心など、さまざまな「生きる力」が育ちます。 まさに「あそぶことは生きること」なのです。


日本語の「スポーツ」という言葉は、部活動、まじめに打つ込む、評価、などを連想させがちです。 そこから不得意、苦手、嫌い、などもイメージするかもしれません。 しかし本来、「運動」は得意不得意に関わらず、「身体を動かすことは楽しい、そして動かしたほうが健康になる」という、もっと気晴らし的なニュアンスを含む言葉です。 つまり、「運動」と「あそび」は近いところにあった活動なのです。


ボートレースは、娯楽であると同時にスポーツでもあります。わたしたちは「運動」という言葉がもつ本来の意味に立ち返り、ボーネルンドの考えに大きく共感しました。

子どもとあそびの今

今、日本の子どもたちが遊ぶ機会がどんどん減っているのをご存知ですか?世界の国々の中で最も遊んでいないのが、日本の子どもたちなのです。 あそびが減った結果、楽しく体を動かす機会が少なくなり、日本の子どもたちの体力は低下したままです。 体力が落ちれば意欲も減退し、考える力や判断力の低下にもつながります。 また、他者と関わろうという意欲もなくなって、コミュニケーションする力にも悪影響を及ばします。

しかし、はたして「遊びたくない子ども」などいるでしょうか?時代とともに変わったのは子どもをとりまく環境なのです。 子どもの「遊びたい」をかなえるべく、その場所と機会を提供したい。 これも、ボートレースがボーネルンドと組んで遊び場をつくろうと考えた理由の一つです。

「BOAT KIDS PARK モーヴィ」のあそび場としてのコンセプト

➊からだあそびを中心にこころと頭と身体のバランス良い発達を

子どものこころと頭と身体の発達は、互いに密接に関係し合い、補完しあって進みます。 モーヴィは、その中でも最も根幹のからだあそびを中心に、年齢別に多種多様なあそびを揃えています。 身体を動かす中でも創意工夫して頭(認知能力)をつかい、他の子と一緒にとりくむ中でこころ(情緒・社会性)の発達を促します。


➋保護者と一緒に遊ぶ

子どもの発達段階を理解している保護者が共に遊ぶことで、自分の子の「今できる最適なチャレンジ」を見極め、子どもたちの達成感を引き出すことができます。 同時に、集団の中でも子どものあそびを見ることで「今日はこんなことができた」「こんな風に遊べるようになった」と、日々の遊び方の変化や成長を発見できます。
さらに、一緒に遊んで、体験や感情を共有することで、家族の信頼関係も強まります。


❸「プレイリーダー」がいる

子どもの成長とあそびについてボーネルンドの研修を受けた「プレイリーダー」が常駐しています。
プレイリーダーは、あれをやれ、これをやれと指示する「指導者」ではありません。 子どもが今何を考え、何にチャレンジしているのか、様子を見ながら子どもの「やってみたい」という意欲を引き出し、集団でのあそびを誘発する大切な役割を担っています。 子どもたちにとっては、おもしろいあそびのヒントをくれるガキ大将のような存在です。 ご両親にとっては、子どもの成長を知っており、第三者でありながらご家族と同じように子どもの成長を見守り応援する、子育てサポーターでもあります。

環境

「やってみたい」が見つかる。「やりたい」に没頭できる。

一見しただけではわからない徹底した工夫がなされています。 発達段階に応じてあそび場のゾーンが分けられ、それぞれに魅力的で多様なあそびを引き出す機能を施してあります。 特に「からだあそび」に重点を置き、子どもが自分の発達と好みにあわせて最適なチャレンジができるつくりになっています。 また、飽きない、継続するあそびの導線や遊具の配置も考慮され、少なくても60分はのめり込むことができる設定にしています。
このような環境の中で、子どもたちは異年齢集団で遊ぶおもしろさ、保護者の皆さんの愛情に包まれて遊ぶ幸せも感じ、自尊心も育てていきます。